大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和44(し)12 決定

主 文

原決定および大阪地方裁判所が昭和四三年一二月三日にした刑執行猶予

言渡取消決定は、いずれもこれを取り消す。

本件刑執行猶予言渡取消請求を棄却する。

理 由

本件抗告申立の理由は、別紙特別抗告状と題する書面記載のとおりである。

所論のうち、憲法三一条違反を主張する点は、実質は単なる法令違反の主張であ

り、判例違反を主張する点は、引用の判例は、本件と事案を異にして適切でなく、

その余の論旨は単なる訴訟法違反の主張であつて、いずれも、刑訴法四三三条の抗

告理由にあたらない。

しかし、職権をもつて調査すると、原決定の確定した事実によれば、申立人は、

昭和四〇年一月二九日大阪簡易裁判所において窃盗罪により懲役一年に処せられ四

年間その刑の執行を猶予された者であるところ、右猶予期間内に犯した職業安定法

違反等の罪により昭和四三年三月二九日大阪地方裁判所において、懲役一年に処せ

られ、申立人からの控訴も、同年一〇月二八日棄却され、これに対し上訴提起期間

内に上告申立をしなかつたため、右刑は確定したものとして、大阪地方裁判所は前

記刑執行猶予言渡を取り消す旨の決定をしたことが認められる。

しかしながら、右執行猶予言渡取消の原因とされた前記大阪地方裁判所の判決は、

申立人の控訴を棄却した大阪高等裁判所の判決に対する上訴権回復請求が認容され

ることにより、未確定の状態に復帰したことは、当裁判所に明らかな事実である(

昭和四四年(し)第二二号同年一〇月一日大法廷決定参照)。そうすると、右判決

が確定したものとして、刑執行猶予言渡を取り消した大阪地方裁判所の決定および

これを維持した原決定には、違法があつて、これを取り消さなければ、著しく正義

に反すると認められるから、刑訴法四一一条一号を準用して、これを取り消すべき

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ものである。

よつて、同法四三四条、四二六条二項により、主文掲記の各決定を取り消し、本

件執行猶予言渡取消請求を棄却すべきものとし、裁判官全員一致の意見で主文のと

おり決定する。

昭和四四年一〇月一五日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 村 上 朝 一

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